2026.08.11

パウチゴミのリアルな実態をQ&Aで徹底解説 — ペットボトル並みにリサイクルできる時代が来る — ココが聞きたい!

パウチゴミのリアルな実態をQ&Aで徹底解説 — ペットボトル並みにリサイクルできる時代が来る — ココが聞きたい!

みなさんがスーパーで買っている袋はプラスチックでできている。そのポリエステル製品はどのようにリサイクルされているか、お客様から多数問い合わせをいただいております。

このページではそのご質問にお答えします。

エシカリスト星からきた林産業の妖精エシカちゃん

Q1:パウチって便利だけど、使い終わった後はどうなっているんですか? 環境的に問題はないんでしょうか?

現状、多くのパウチ包材は使用後に焼却処分されています。
その際、CO2が排出されるため、環境負荷の観点では大きな課題になっています。

Q2:ペットボトルはリサイクルされているのに、なぜパウチは難しいんですか?

最大の理由は“複合素材”です。従来のパウチは複数のプラスチック素材を貼り合わせて作られています。分離技術自体は存在しますが、コストが原料の約3倍かかるため、現実的に普及していません。

Q3:今のパウチ包材袋はプラ複合シートになっているからなんですね。では、なぜ複合シートにしなければならないのですか?

パウチには、以下のような複数の機能が同時に求められるからです。

  • 内容物をしっかり守る強度(落下しても破れない)
  • 棚に並べられるコシと剛性(自立性)
  • バリア性(酸素・湿気・光を遮断)→賞味期限を長くする
  • 中身が見えやすい透明性
  • 熱で密封できるヒートシール性
  • きれいに印刷できる印刷適性

Q4:では、その問題は解決できないのでしょうか?

林産業では、すべての層をPEで構成する“モノマテリアルPE包材”を開発・販売しています。(2023年より)

詳細はこちら→Ethicalist®PePeパウチコ

林産業のモノマテリアルPEはすべての層をPEだけで作ることで、従来のパウチ包材袋と同じ機能を持ちながらリサイクルがしやすい素材で製造可能です。

Q5:単純にPEだけで作ればいいなら、他社もできるのでは?

従来のポリエチレンでは強度が弱く、PETのようなコシをもったしっかり素材が作れないからです。

林産業は2022年にこの問題を解決するため一軸延伸インフレーション技術を導入し、品質向上システム(C-MAXプロセス)に乗せることでMDOPEの開発に成功しました。

更に、パウチ包材の内側にバリア性を向上させる素地を混入させた特殊シーラント素材を加えることで、従来のパウチ包材とほぼ同等の機能性をもったパウチ包材の開発に成功しました。

現在製造しているのは農業資材用のPEシートと、今後パレット梱包用の大型カバーにこの再生原料を活用する計画で商品化が進んでいます。

Q6:導入を検討する理由は何でしょうか?

パウチ包材は国内で年間約50万トン生産されており、その多くが焼却されています。

もったいないの精神と世界のプラごみを少しでも減らすこの2つの活動は、世界の環境改善の選択肢のひとつとして、我々プラスチック加工業者の大切な使命だと考えています。

Q7:日本のプラスチックのリサイクル率は22〜25%あり、世界先進国の中位くらいだと聞いていますが?

実態としては、焼却による熱回収も“リサイクル”として計上されています。

日本でのプラスチック生産量は年間約800〜900万トンといわれており、そのうち約60%が回収後焼却されているのです。2022年成立のプラ資源循環促進法では、 “サーマルリサイクル”(熱原料として再活用)という名目で 統計上「リサイクル」に分類されていますが、 このような熱への変換もプラ資源の有効利用の一つだと定義されているのです。 本質的な資源循環とは言い切れない状況なのです。

Q8:林産業さんはこの再利用された原料で何か製品をつくる計画はありますか?

現在は農業資材用シートなどに活用が進んでおり、今後は物流資材(大型カバー)などへの展開も計画されています。

Q9:この次世代パウチ包材によるリサイクルシステムが世界市場に普及した場合、どんな効果がありますか?

大きく4つです。

・プラスチックごみの削減
・CO2排出の抑制
・資源循環型社会への加速
・中東情勢による石油資源危機への対応

新しい石油から作るよりもリサイクル素材を使う方がCO2排出を50〜70%削減可能です。 食品・日用品パウチは世界で数千トン規模なので、非常に大きな影響を世界に与えます。 ペットボトルが“ボトルtoボトル”を実現したようにパウチ包材も “パウチtoパウチ”が普通になり、石油依存度が減り、持続可能な素材循環型社会が実現できます。

Q10:この次世代パウチ包材を普及させるにあたり、現在どんな障壁・課題があるのですか?

主に3つあります。モノマテリアル化で特殊延伸設備と最適化された配合樹脂が必要で、 その分従来複合包材シートに比べ製造コストが上がります。

いかにお客様の切り替えコストを下げることができるかも重要な課題です。

・用途制限(すべての製品に完全対応ではない)  林産業では一軸延伸(MDOPE)を駆使しPEの剛性・強度・透明性を大幅に向上させていますが、 すべての用途で複合パウチ包材を完全代替えするまで至っていないのが現状です。

・コスト増加(設備・材料要因)  新設備の投入や需要と供給のバランスにより、現状はこれまでの混合パウチ製品よりもコストがかかる計算です。

・回収・リサイクルインフラの未整備問題  現場での分別回収→選別→マテリアルリサイクル体制が国内ではまだ未成熟です。

株式会社林産業では今後も完全リサイクル可能なパウチ包材普及のために邁進していきます。

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